とりあえず新オセロ方式改良版なるものを提案してみましたが、数値的な検証もしておかないと左脳人間ぽくないので、ちょっとしたプログラムを使って10000回のシミュレーションをしてみました。
まず、64人参加の全日本を例に、以下のような仮定の下で検証します:
参加者64人の「実力順位」がわかっている
実力順位の差が 4以内の場合、実力上位者の勝つ確率を60%とする
実力順位の差が 8以内の場合、実力上位者の勝つ確率を70%とする
実力順位の差が16以内の場合、実力上位者の勝つ確率を80%とする
実力順位の差が32以内の場合、実力上位者の勝つ確率を90%とする
実力順位の差が33以上の場合、実力上位者の勝つ確率を95%とする
この仮定の下で、新オセロ方式(シード無し)を用いた場合、実力順位1~16の選手の、1位になる確率、2位以内に入る確率、4位以内に入る確率、8位以内に入る確率、16位以内に入る確率を10000回のシミュレーションにより求めた結果が以下になります。
■結果1 新オセロ方式-シード無し
実力順位 | N位以内に入る確率 | ||||
1 位 | 2 位 | 4 位 | 8 位 | 16位 | |
1 | .225 | .322 | .518 | .754 | .905 |
2 | .177 | .286 | .476 | .722 | .896 |
3 | .136 | .236 | .420 | .670 | .872 |
4 | .113 | .206 | .380 | .633 | .850 |
5 | .084 | .170 | .334 | .583 | .837 |
6 | .063 | .142 | .292 | .535 | .810 |
7 | .048 | .117 | .259 | .498 | .782 |
8 | .038 | .097 | .221 | .455 | .757 |
9 | .027 | .079 | .188 | .408 | .729 |
10 | .022 | .068 | .163 | .365 | .701 |
11 | .013 | .050 | .126 | .321 | .658 |
12 | .012 | .043 | .110 | .276 | .625 |
13 | .007 | .034 | .090 | .244 | .589 |
14 | .007 | .030 | .078 | .216 | .548 |
15 | .005 | .023 | .063 | .196 | .533 |
16 | .004 | .020 | .057 | .176 | .487 |
この方式では、実力順位1位の選手が優勝する確率は22.5%、実力2位の選手が優勝する確率は17.7%、実力3位の選手が優勝する確率は13.6%ということが読み取れます。
また、実力順位16位の選手が16位以内に入る確率は48.7%、およそ五分五分であることがわかります。
さて、現在全日本選手権で採用されている、16名をシードとする方式をシミュレートしてみましょう。実際とは若干異なりますが、実力順位1位~16位の選手を2回戦までは当たらないように振り分けて、上と同じ方式でシミュレートした結果が以下となります。
■結果2 新オセロ方式-シード有り
実力順位 | N位以内に入る確率 | ||||
1 位 | 2 位 | 4 位 | 8 位 | 16位 | |
1 | .225 | .336 | .535 | .748 | .920 |
2 | .178 | .287 | .497 | .711 | .895 |
3 | .141 | .251 | .448 | .667 | .878 |
4 | .115 | .214 | .409 | .637 | .865 |
5 | .085 | .180 | .358 | .586 | .846 |
6 | .064 | .144 | .311 | .531 | .816 |
7 | .051 | .130 | .275 | .494 | .792 |
8 | .040 | .101 | .230 | .444 | .757 |
9 | .027 | .079 | .196 | .394 | .719 |
10 | .017 | .061 | .160 | .342 | .674 |
11 | .015 | .054 | .136 | .315 | .643 |
12 | .010 | .039 | .103 | .261 | .604 |
13 | .008 | .033 | .087 | .231 | .550 |
14 | .006 | .026 | .078 | .222 | .533 |
15 | .004 | .021 | .060 | .186 | .478 |
16 | .003 | .017 | .049 | .169 | .444 |
うーん、あんまり違いが見えてきませんね。16人を違うテーブルに割り振る現行のシード方式って、実は大して意味がないのかしら。
さて、最後は昨日私が提案した方式です。
■結果3 新・新オセロ方式
実力順位 | N位以内に入る確率 | ||||
1 位 | 2 位 | 4 位 | 8 位 | 16位 | |
1 | .309 | .489 | .673 | .851 | .964 |
2 | .221 | .412 | .624 | .814 | .949 |
3 | .145 | .288 | .518 | .748 | .933 |
4 | .106 | .230 | .459 | .700 | .920 |
5 | .071 | .167 | .386 | .632 | .894 |
6 | .045 | .119 | .319 | .557 | .870 |
7 | .035 | .093 | .273 | .505 | .842 |
8 | .025 | .070 | .216 | .437 | .798 |
9 | .014 | .040 | .152 | .365 | .748 |
10 | .008 | .027 | .106 | .309 | .701 |
11 | .004 | .014 | .071 | .256 | .650 |
12 | .003 | .012 | .059 | .222 | .586 |
13 | .002 | .009 | .039 | .187 | .540 |
14 | .002 | .007 | .030 | .164 | .488 |
15 | .001 | .006 | .022 | .142 | .444 |
16 | .001 | .005 | .017 | .121 | .397 |
実力順位1位の選手の優勝確率、2位以内に入る確率が格段に改善されています。
実力順位2位の選手の2位以内に入る確率、4位以内に入る確率が格段に改善されています。
実力順位4位以内の選手の4位以内に入る確率、8位以内に入る確率が格段に改善されています。
実力順位11位以内の選手の16位以内に入る確率が格段に改善されています。
こんな感じでして、一応この検証によれば、私が昨日提案した方式の方が、実力順位に近い結果が出やすいと言うことが出来そうです。
もちろん仮定に基づく検証ですので、仮定が正しくなかったら何の意味もない数字なんですが、少なくとも激しくおかしい仮定ではないはずなので、この結果はそれなりに参考には出来るはずじゃぁないかと思っています。
本質部分だと思うので、ご確認。
>こんな感じでして、一応この検証によれば、私が昨日提案した方式の方が、
>実力順位に近い結果が出やすいと言うことが出来そうです。
「実力順位」(真の実力順位)ではなくて「評価順位」(前提とされている
実力順位)ではないですか?
上と下を当てるシステムなので、上とされている人ほど組合せにおいて
優遇されやすいシステムだと思います。
例えば本来実力1位の人が5位として組合せされ続けたならば、その分
キツイ組合せになりやすく、実力3位の人が1位として組合せされ続けた
ならば、その分実力3位の人が優勝しやすくなるような・・・(組合せ面
で優遇されるため)
「実力順位に近い結果が出やすい」のではなく「評価順位に近い結果が
出やすい」気がします。
「実力順位」と「評価順位」の違い影響例>
段位を評価順位の基準とするなら、高段者が組合せ面で恵まれやすく、
成績を残しやすい。実力者でも段位が低いと組合せがキツくなりやすく、
成績を残しづらい。(「実力順位に近い結果が出やすい」訳ではない)
→段位が高いほど実力者とするなら、実力者が成績を残しやすいと
言えそうですが・・・本末転倒の気もちらほら。
誤解を避けるため追記。
先の書込みは「だから上下システムはダメ」というためのものではないです。
nakajiさんのシミュレーション結果が素晴らしい大きな理由の一つは「正しい
実力順位通りに評価順位が並び、それで組合せされているから」で、その部分が
違えばむしろ実力下位者を後押しするシステムともなりかねないという点を
指摘するための書込みでした。(しかも現実には実力順位に近い結果を出したい
なら、その部分(評価順位付け)が一番の難点)
p.s.
上記はあくまで理論上のつっこみで、現実論としてはトップクラスの実力は
紙一重(だろう)ので、影響はさほどない気もしています。
(=実効性の低いことを承知の上でのつっこみ 苦笑)
たぶん、、
実力順位に近い評価順位を付けることが出来れば、実力順位に近い結果が出やすい、ってことになると思います。