「大きな差」に気づけたこと

数年前まで私は、本当は自信のない自分を奮い立たせるために
敢えて強がり、大口を叩くようにしていました。
まぁ、試合前のボクサーが良くやるアレと一緒ですね。

しかし思うところがあり、ここ1年程は素直に振舞うことに
しました。きっかけは何だったろう・・・ うーん、たぶん、
終盤COBRAの問題作りのためにさまざまな問題にトライし、
自分が相当うなって考えてから答えを出すような局面でも、
村上九段や末国九段はほぼ一瞬で答えを出すのを目の当たりに
した頃からですかねぇ。

それまでは九段の彼らも、六段の自分も、実力的には大した差が
ないと思ってました。彼らはたまたま大舞台で勝った回数が
多いから、しかし自分はたまたま大舞台に弱いから、くらいに
考えてたんですね。ほんと恥ずかしい話なんですけど。。。

しかし実は全然違うんですよ。一局のゲームにその差が全て
現れるわけではないので長い間気づけなかったわけですが、
「勝てる終盤の形」の数が格段に違うんです。
自分より何倍も多くの「勝てる形」を知ってるわけです。
その差は当然中盤戦にも出てきます。彼らは彼らには見えている
その「勝てる形」を目指して打つという方針が立てられる局面
でも、それが見えていない私には同じことはできない。彼らより
多くの「正しい方針が立てられない局面」が存在してしまうわけです。

そういう差の積み重ねが、大きな大会の優勝回数の差となって
如実に現れていたわけですね。
# ・・・と、全てを悟ったかのような言い方をしちゃってますが、
# 他にもまだ気づいていない大きな差は存在すると思っています

こういう「大きな差」に気づき、自分は彼らに対して明らかに劣って
いると認めることが出来た時、たとえ「自分を奮い立たせるため」と
いう目的のためでも、大口を叩くのは美しくない、と思ったわけです。

それ以降は素直に、謙虚に行くことにしました。

先日のブログに書いた

> でも、みなさんに誤解して欲しくないのは、私はここまで強くは
> ありません。今年は実力をはるかに超える結果を得てしまってます。

に対して小出2級が反論してますが、ほんとにこのように思って
いるし、ほんとにこの通りなんです。謙虚モードでももちろん、
自分をそれなりに強いとは思っています。しかしどー考えても、
春・夏連覇していいほど強くはありません。だって春・夏連覇って、
今まで為則九段、坂口九段、冨永七段しか達成できてないことですよ。
そんな彼らと、まだまだ穴だらけの私が肩を並べていいとは思いません。

でもま、まぐれも年に3回起こせればさすがにまぐれではなくなる
と思うので、もし世界戦に勝つようなことがあれば、その優勝スピーチは
傲慢モード全開でいっちゃおうかなぁ、なぁんてことを思ってみたりも
しています。

「「大きな差」に気づけたこと」への2件のフィードバック

  1. ありがとうございます。
    非常に高く評価していただいて恐縮しています。現在は練習不足もあって末国九段よりは明らかに弱いので、並べて書いていただくとなんだか末国さんに申し訳ない気分です。中島さんの高評価に恥じないプレーができるように頑張ります!

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