もちろん、序盤もとっても大切です。
序盤で圧倒的不利になってしまったら、たった60手しかないこのゲーム、
逆転する間もなく終わってしまいます。
ですので「オセロは終盤」という言葉、決してその他はどーでもいい
という意味ではありません。
特に大会に出てみようという方は、とりあえずメジャーな定石は
暗記しとくべきです。序盤で不利になってしまってそのまま負け
というゲームばかりでは、折角大会に出てもあんまり収穫は
得られないはずです。
全体のレベルが今ほど高くなかった15年くらい前では、
関東オープンのような大会では6試合中3試合くらいは序盤~中盤で
勝敗が決してしまうようなゲームがありました。
悪い言葉で言えば「消化試合」みたいなゲームですね。
最近はそうは行きません。6試合全てがヒーヒー言うようなゲーム
だったりします。ゼブラの登場で、世の中の序盤のレベルは格段に
上がったと思います。
15年くらい前の私は、かなり序盤に自信を持っていました。
村上九段に先生になって頂いて通信教育を受けていた頃、その講義
内容は主に序盤だったんですね。村上さんが自身で手研究(当時は
ゼブラなどないので当たり前のように「手」研究)により得た知識を
惜しげもなく授けてくれたのです。
そのおかげで、序盤で優位に立ちそのまま押し切れたり、上位を相手に
したときも序盤で優位に立って中終盤で緩手を打って差が詰まり
つつもなんとか逃げ切る、というような勝ち方が出来ちゃったり
してました。
こんなんで案外うまく行っちゃったもんだから、終盤トレーニングを
おろそかにしてしまって今に至る、って感じなわけですね。
今は序盤には全然自信がありません。時間をかけてゼブラとにらめっこ
している若手プレイヤーには絶対にかなわないと思っています。
となるとやれることと言ったら、相手の土俵にあがらないこと。
相手が深く暗記をしてはいないであろう手を序盤で選ぶことです。
ただこれ、完璧に受けられたら間違いなく自分が不利になるわけで、
かなりの危険も伴うんですね。
そんなわけで今、世界戦でどんな手を使おうか激しく悩み中です。